気になるヴィーガンレザーのお話

こんにちは。きひろです。

4月となり、花粉に苦しめられている今日この頃。
かろうじて生きてます。

良い天気も増えてきてアウトドアもしたいけれど、こう辛い毎日ではなかなか外に出るのは億劫ですよね。
花粉症の皆さんは一緒にこの時期を乗り切りましょう!!

そして4月・5月のブログはおとなしくインドアのレザークラフトについて、調べたことをまとめていきますよ。

さて今回のお話は「ヴィーガンレザー」についてです。

まだまだあまり認知されていない新素材といえるかもしれません。
かくいう私も最近その存在を知りました。

大豆ミートなどの代替食品が広がる現代。レザーにも代替となる新素材がやってくるのでしょうか?
将来革職人を志す者として、ヴィーガンレザーについて基本知識をまとめていきます!


ヴィーガンレザーの基礎知識

目次
1.ヴィーガンとは
2.ヴィーガンレザーとは
3.ヴィーガンレザーの落とし穴
4.まとめ


ヴィーガンとは

まずはそもそものヴィーガン(Vegan)について。
日本語で表すと「完全菜食主義」というような意味であり、動物性の食べ物を摂取せずに野菜だけを食べる人やそのような生活スタイルのことを指します。

似たような、なじみのあるワードでいうとベジタリアンという言葉もありますよね。
その関係性はというとヴィーガンはベジタリアンの一部に含まれます。

ベジタリアンは肉を食べない人の総称ですが、実は人によって卵はOKだったり、魚介類はセーフだったりと幅が広いのです。

そんな中でヴィーガンは動物から作られたものを一切食べないという、ベジタリアンの中で一番(食べられる食品の種類が少ないという意味で)厳しい人たちなんですね。

卵・乳製品はもちろん、ゼラチンを原料にしてるグミなどもアウトです。
今後アレルゲンと同様に、人に食品を提供する仕事においては「知らなかった」では済まされないような、必須の知識になってくる可能性もありますね。

なぜ野菜だけを食べるのか・・・といった話は主題から外れるのでここでは割愛します。

※ちなみに著者はヴィーガンでもベジタリアンでもありませんのであしからず。

ヴィーガンレザーとは

上記の定義からすると、ヴィーガンレザーは動物性の素材を使用していない革ということになります。

現時点での一般的なとらえ方は「今まで廃材となっていた植物原料を加工して作られた、エシカルな革素材」です。
現在流通しているものはパイナップルの葉を使用した「Piñatex(ピニャテックス)」や、リンゴの廃材を使用した「アップルレザー」などがあります。

動物の皮を使用していないのに革!?と一瞬戸惑いますが、実はすでに私たちの身の回りにはそういう素材が出回っています。

そう、「合成皮革」ですね。
合皮やフェイクレザーとも呼ばれるこの素材はプラスチック(石油)からできていますが、立派に革を名乗っています。
>合皮についての解説はこちら

そしてヴィーガンレザーは先ほどのベジタリアンの説明のように、合成皮革に分類されます。(消費者庁「家庭用品品質表示法」より)

今まで捨てられていた廃材を主に使用することから、エシカル消費(地域や社会、環境に優しいものを消費すること)に該当し、SDGsの要件を満たすことから、様々な企業が取り入れて、今後目にする機会は増えてくると思われます。

しかし、ここには大きな注意点があります。
ここで初めに上記の定義からと前置きしたのは、2022年4月現在、ヴィーガンレザーというものがまだ国によって定義されていないからです。

ヴィーガンレザーの落とし穴

国での定義が決まってない以上、販売者が「動物の皮を使っていないもの」をヴィーガンレザーと定義した場合、サスティナブルでも何でもない既存の石油由来の合成皮革がヴィーガンレザーとして売られることになります。

つまり廃材から作られた新素材も、石油100%のプラスチック合成皮革でも、すべてヴィーガンレザーとして扱われる可能性があり、それを取り締まる法整備もされていない状態ということです。

日本でSDGsが叫ばれてまだ数年と立っていない中、今この新素材に注目しているのは商用利用する企業か、環境配慮への意識が高い消費者と思います。

企業も消費者も勘違いをして購入することの無いように、正しい知識をもつことが必要です。

まとめ

今回はヴィーガンレザーの知識的な部分についてまとめました。

・ヴィーガンとは動物由来の物を一切食べない「完全菜食主義」ということ
・ヴィーガンレザーは動物の皮を使用していない、合成皮革に分類されるということ。
・廃材を有効活用したエシカルな素材であるが、法整備がされていないこと。

なるほどなるほど。
ヴィーガンについて勉強になりましたね。

・・・ではなく!
私が知りたいのは、ヴィーガンレザーが本革の代用品になりえるかということ!

ネット上でもいろんな情報が出回ってはいますが、判断するにはやはり自分で触ってみねばいかん。


というわけでヴィーガンレザーを注文してみました!
次回は実際に届いた商品をレビューしてみますよ。